負けないで…

 

辛い事から 逃げちゃいけない…

 

 

苦しくても 負けないで…

 

 

避ける事の出来ない苦しみも 辛い涙も

 

 

唯一の 自分が変われるチャンスだから…

 

 

負けないで…

 

 

蛹(さなぎ)が蝶になって翅(はね)を得るように

 

 

越えた先には その心に何かを得た新しい自分が

 

 

優しい目をして きっと微笑んでいるよ…

 

 

今生きるこの灰色の風景さえも輝きだして

 

 

きっとそれらへの愛しい想いで心は満たされるよ…

 

 

負けないで…

 

 

 

 

 

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頑(かたく)ななダンゴムシ

 

ダンゴムシ ダンゴムシ

 

 

突っつくと くるんと身体を丸くする

 

 

 

世の中の 全てを拒絶するように

 

 

自分という存在を鎧のような硬い表皮で覆い隠し

 

 

まぁるくなってコロンコロン

 

 

 

虫螻にすぎないダンゴムシ

 

 

けれどもそれでも一つの命

 

 

ダンゴムシはダンゴムシとしての世界を生きる

 

 

それはとても小さな世界だけれど

 

 

ダンゴムシにとっては世界の全て

 

 

 

そのちっぽけな世界の中で

 

 

世間様がどんな仕打ちをしようが されようが

 

 

ダンゴムシはダンゴムシとして生きるだけ

 

 

 

だから

 

 

ダンゴムシは固い表皮で我が身を包(くる)み

 

 

ダンゴムシとして生き抜く為に まぁるくなって転がるのです

 

 

世間様に吹き荒れる嵐が去ってしまうまで

 

 

身体も

 

 

命も

 

 

心も

 

 

自分の全てを鎧の中に閉じ込めて

 

 

目を固く瞑り 耳を塞ぎ

 

 

自分を苦しめ汚す何もかもから身を守っているのです

 

 

 

自分という存在を壊されぬよう

 

 

ダンゴムシがダンゴムシであることを見失わないために

 

 

まぁるくなって コロンコロンと

 

 

世間様に転がされながらも己を守っているのです

 

 

 

そう

 

 

私の心も頑ななダンゴムシ

 

 

 

 

 

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カンパニュラの花

 

 

初夏の日差しにカンパニュラ…

 

 

俯(うつむ)いて咲いている…

 

 

涼やかな風に 細い茎が揺れている…

 

 

愛しき人との再会を 待ち焦がれる乙女のように…

 

 

今日咲く花は 明日には終わる…

 

 

けれど明日には又 新しい花を咲かせてる…

 

 

毎日… 毎日…

 

 

一つづつ 一つづつ

 

 

薄紫色の花は蘇る…

 

 

オーガンジーのドレス着て 美しく身なりを整えて

 

 

愛する人に会えた時の恥じらいに俯くように…

 

 

今日も花が一つ終わるね カンパニュラ…

 

 

今日の悲しみは今日に捨て

 

 

明日こそは… 明日こそはと

 

 

恋しい気持ちを力に変えて

 

 

愛する人の訪れを待ち続ける乙女のように

 

 

毎日 毎日 花は何度も蘇る…

 

 

一つの季節が終わるまで…

 

 

 

 

 

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「ありがたう」… old woman A.Kさんに捧ぐ

 

長い間入院していた96歳のお婆ちゃんが帰ってきた

 

 

病院ではずっとベッドの上だった…

 

 

食事も 洗面も そして排泄も 全てみんなベッドの上…

 

 

帰ってきたお婆ちゃんは自分の足で立てなくなっていた…

 

 

大正生まれのお婆ちゃん…

 

 

お婆ちゃんの身体は ひと際(きわ)大きくてがっしりしてる

 

 

だから車椅子への移乗にも トイレの際の介助にも 人間二人の力が必要

 

 

「若い頃はモデルさんみたいで目立ったでしょう?」と言うと

 

 

「大女って言われたよ」って 笑い声と一緒に言葉が返ってくる

 

 

大正生まれのお婆ちゃん

 

 

気丈で明るいお婆ちゃん

 

 

泣き言も言わず 悲観もせず 明るく今を頑張るお婆ちゃん

 

 

一生懸命 一生懸命 今を頑張る

 

 

そして お婆ちゃんはいつも言う

 

 

「ありがたう!」

 

 

「ありがたう!」は お婆ちゃんの「ありがとう!」

 

 

「ありがたう!有難い 有難い あんたさん上手だね」

 

 

明るい声で 身体を支える人にそう言いながらも

 

 

力の入らない足で 自らも立とうと頑張るお婆ちゃん…

 

 

毎日 毎日 泣き言も言わず 悲観もせずに

 

 

その時その時を ただ一生懸命 明るく頑張ってたお婆ちゃん…

 

 

ありがたう!ありがたう!って言いながら…

 

 

お婆ちゃんは大正生まれの96歳だから

 

 

衰えた肉体が改善するとは 誰もがみんな思ってなかった…

 

 

でも! そのお婆ちゃんが 今では自分の足で

 

 

自分の大きな身体を支えて立つことが出来ている!

 

 

力の入らなかった足に いつの間にか筋力が蘇り

 

 

介助も一人でよくなった…

 

 

介助の度に「凄いね!奇跡だね!強いね!立派だね!」って つい口に出る言葉に

 

 

お婆ちゃんからは いつものように

 

 

「あんたさん達のお蔭… ありがたう!」って返ってくる

 

 

明るい屈託のない笑い声と一緒に…

 

 

 

 

 

 

 

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