味の記憶

 

ふと・・・

 

 

 

煮麺(にゅうめん)が何故か無性に食べたくなる時がある・・・

 

 

 

そういう時は 干しシイタケを水で戻して 鍋に湯を沸かし

 

 

 

昔あなたがしていた記憶を辿って作ってみる・・・

 

 

 

食べたいのは あなたの作ったあの煮麺の味・・・

 

 

 

あの味に出会いたい!

 

 

 

あの味に満たされたい!

 

 

 

記憶の中のあなたを真似て作るけど

 

 

 

何故かいつも何かが違う・・・

 

 

 

あなたの作る煮麺は身体中が美味しいと言った・・・

 

 

 

シイタケの香りが頭の先まで届いていた・・・

 

 

 

もう一度あの時の味に出会いたい・・・

 

 

 

あの時のように身体中が満たされたい・・・

 

 

 

同じように作っても あなたの味とは何かが違う私の煮麺・・・

 

 

 

口は満たされても身体中には届かない・・・

 

 

 

何故だろう・・・何が違うんだろう・・・

 

 

 

違うのは 作っているのがあなたじゃないという事・・・

 

 

 

きっとあの煮麺の味は あなただけの味なんだ・・・

 

 

 

大好きなあなたが作ってくれたものだから・・・

 

 

 

きっと あなたが大好きと思う気持ちで食べたから

心も身体も満たされたんだ・・・

 

 

 

陽だまりで母猫の体温を感じて眠る子猫みたいに

 

 

 

あなたの愛に包まれながら

 

 

 

きっと私は あなたの愛を食べていたんだ・・・

 

 

 

 

 

 

読んで下さって有難うございます。

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投稿者: 花咲 手毬

ご訪問、有難うございます。見て頂けて、嬉しいです。 私の咲かせた言葉の花が、誰かの心に届きますように…

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