闇夜の灯り

 

凍てつく冬の夜道

 

アイスバーンに 疲れた身体を強張らせながら

 

仕事帰りの車を走らせる…

 

 

 

緊張の中で運転しながらも ふと

 

視線の先の暗闇の向こう側で煌めく

 

宝石のような夜景に目を奪われた…

 

 

 

何処までも遠く広がる田んぼや畑が

 

硝子のように澄み切った キンと冷たい闇夜に覆われて

 

空気ごと凍りついている

 

 

 

その闇夜の狭間…

 

 

 

遠い暗闇の向こうの山々の麓に 様々な色の灯が

 

透明なガラス瓶越しに覗き見る零(こぼ)れた宝石みたいに光輝いていた…

 

 

 

この澄み切った闇の美しさは

 

田舎道ならではなのかも知れない…

 

 

遠くで揺らぎ 瞬く灯り…

 

 

 

その一つ一つが 人の命の様にさえ感じられる…

 

 

 

あの煌めきの一つ一つが誰かの灯した灯り…

 

あの灯りの数だけ そこに様々な暮らしがある…

 

 

 

喜びもあろう…

 

苦労もあろう…

 

 

 

それは 本当に人様々に違いない

 

 

 

それでも 帰る場所が有る幸せ…

 

 

 

寒さに凍てつく冬の夜

 

暖かい灯を灯せる幸せ…

 

 

私も早く帰って

 

夜の闇に輝く一点の

 

暖かく煌めく灯りを灯そう

 

 

 

 

 

 

 

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