辺(あた)りは一面花びらの海・・・

 

桃色の満開の時を過ぎた里桜・・・里桜・・・

 

 

花風に静かに花は揺すられて

 

 

もう花の盛りは終わったよと告げられる・・・

 

 

桃色の花びらがひらひらと風の中で踊って落ちる・・・

 

 

差し伸べた手の平に一片(ひとひら)ふわりと舞い下りた

満開の花の盛りの栄華の欠片(かけら)・・・

 

 

はらはらと・・・

 

 

ひらひらと・・・

 

 

辺(あた)りは一面花びらの海・・・

 

 

 

 

地面に降り積もった花びらが

 

 

春霞の細かい粒子にしっとり濡れて 眠るように鎮まっている・・・

 

 

枝先で華やかに咲き誇り 鳥や虫達が集った賑わいも

 

 

見る者の目を奪う艶(あで)やかに咲き誇った姿も

 

 

全ては跡形もなく過ぎてしまった・・・

 

 

それでも色を失わずに伏す花びらよ・・・

 

 

ひらひらと・・・ 美しき頃の名残をその色に止(とど)め

 

 

はらはらと・・・ 最後の舞を魅せながら 地に降り積もる・・・

 

 

伏してもなお 美しく地を桃色に染めつくす里桜・・・

 

 

花びらに留(とど)まるその桃色は 花だった頃の栄華の記憶・・・

 

 

里桜・・・ 里桜・・・

 

 

地に伏して朽ちるまで 桃色の花の時の夢を見る・・・

 

 

花風に揺すられて一片(ひとひら) 又一片(ひとひら)と

 

 

終わりゆく美しき花の儚さよ・・・

 

 

里桜・・・ 里桜・・・

 

 

ひらひらと・・・

 

 

はらはらと・・・

 

 

そして 辺(あた)りは一面花びらの海・・・海・・・

 

 

 

 

 

 

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