ご飯粒

 

すっと 貴女の指先が私の顔のほうへ伸びてきて

 

 

え?・・・何?・・・と聞く暇もなく

 

 

気付かずにいた口元のご飯の粒を摘まんで取った・・・

 

 

「付いてたよ」

 

 

貴女は うふふと笑ってそう言った後 再び仕事の続きを始めた・・・

 

 

私もクスッと顔を綻(ほころ)ばせ そのまま仕事の続きについた・・・

 

 

どうという事もない 取るに足らない出来事だけど

 

 

その時 私は一瞬無邪気な子供の気持ちになった・・・

 

 

流れた自然な空気の暖かさが

 

 

なんだか 母の温もりに似ていた気がしたから・・・

 

 

 

 

 

 

 

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