「点から始まる」
真白い紙に 鉛筆の芯の先が触れ
小さな点が印(しる)された・・・
その一点を始まりに 一本の線が走る・・・
その線は 更に 真白い紙の上を 自由に 縦横無尽に走り続ける・・・
やがて 沢山の線が 様々な色で 真白い紙を塗りつぶし
その真白かった紙の上には
この世で たった一つだけの独自の世界が 描き上がる・・・
全ては 一つの点から 始まった・・・
人生も 何だか同じようだなと思う・・・
どんな人も皆 人間としての始まりは 点のように微小だったに違いない・・・
母の胎内に 小さな点のような生命の始まりが宿り
その点から 種が芽を出すように 人としての形が 創造されてゆく・・・
人生は 母の胎内で もう すでに始まっているのかも知れない・・・
生まれ出(い)でた人は 一つの人生というキャンバスに
自分だけの オリジナルの絵を描く・・・
中々 思うように描けない時もある・・・
何度も 何度も 消しては描いて
時には 描く事さえ 苦痛に思う時だってある・・・
それでも 人は 休むことなく描き続ける・・・
与えられた命が 尽きるまで ・・・
果たして私は 自分の人生というキャンバスに
今まで どんな世界を描いてきたのだろうか・・・
描いた絵は どんな色で塗られているのだろう・・・
そして 私という人間が 一本の鉛筆ならば
その芯の先が折れないように 綺麗な色を出せるようにと
微妙に 力を加減しながら
鉛筆を持って描く手の人は
いったい 誰なのだろう・・・
読んで下さって有難うございます。
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