心と心

 

巡り合い

 

関わり合い

 

交わり合う

 

心と心…

 

 

 

それぞれに 逃れられない宿命を背負いながらも

 

自分という心を持って生まれた命…

 

 

誰しもが そう…

 

 

そんな命同士が磁石のように

 

否応(いやおう)無しに引き寄せ合う

 

 

それは

 

この想像も出来ない程 広大な世界の中での

 

気の遠くなる程の

 

命の奇跡…

 

 

 

そんな 不可思議とも言える程の縁に導かれ

 

命同士は巡り合い 関わり合い

 

愛という 心の芯を与えあう…

 

 

 

けれど それ程の奇跡の中で巡り合っても

 

いつかは やがて 必ず別れゆく心と心…

 

 

 

移りゆく時の流れに永遠(とわ)は無く

 

全ては やがて朽ち果て

 

一人で消えゆく定めの 心と心…

 

 

 

だからこそ だからこそ…

 

今 巡り合い

 

関わり合い

 

交わりあう全ての

 

命と命の

 

切なき程の愛しさよ…

 

 

 

 

 

 

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生きているという事の不思議

生きているという事は

 

何と不思議な事だろう…

 

 

命という存在に生かされているという事の奇跡…

 

 

全ての存在がそうであるように

 

この肉体が自分であるという事を認識し

 

私が「私」として存在する不思議…

 

 

この広い世界に数限りない生命体がある中で

 

限られた僅かな命同士だけが 奇跡のような確率で

 

縁という力で引かれ合い 巡り合い 関わり合っても

 

全ての経験は自分を中心に記憶され

 

その思い出は他の誰のものでもなく

 

自分自身だけの人生の一部となって積み重ねられてゆく…

 

 

全ては奇跡の様…

 

命があるという事…

 

生きているという事…

 

 

この世界の中で 私が私として存在し

 

生きているという まぎれも無い真実…

 

 

命とは

 

生きているという事は

 

本当に何と不可思議な事だろう…

 

 

 

 

 

 

 

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緑色のメッセージ

天使のラッパ

 

通りすがりの 土埃で汚れたコンクリートの道端に

 


刈られた筈の草花達が生き生きと茂り

 


花を咲かせ 実をつけていた…

 

 

 

植物が育つなど考えられないような無機質な場所を

 


見事なまでに覆い尽くす姿の

 


呆れるほどの生命力の伸びやかさ…

 

 

 

こんな場所でも 秋の精霊の息吹きは行き渡り

 


その気配が満ちている…

 

 

 

実をつけ始めた蓬の濃い緑が

 


小ぶりな泡立ち草の黄色い花を引き立たせている

 

 

 

春から今まで葉を伸ばす度に 幾度その身を刈られた事だろう…

 

 

 

それでも 刈られては葉を伸ばし 刈られては又伸ばし

 


そうやって 只 淡々と

 


何度も何度も 生きる事を最初からやり直し

 

 

 

今 蓬は沢山の実をつけて

 


泡立ち草は 輝く黄金色の花を咲かせている…

 

 

 

秋の 道すがらの小さな植物群落の風景…

 

 

 

どんな場所でも諦めず 自分らしく生きる事!

 


生きる事を 絶対捨ててはいけないよ!って

 


何だか そういう言葉をかけられた気がした…

 

 

 

 

 

 

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私故(ゆえ)の心

 

 

心とは本当に厄介だ

 

我が心でありながら 思うようにならず

 

苦しかったり 悲しかったり…

 

 

 

怒りとか憎しみとか

 

そんな感情等 抱きたくはないのに

 

それらは執拗に心に付き纏い 時々姿を現す…

 

 

 

そんな自分は好きじゃないのに…

 

 

感情なんて無かったら どんなに楽だろう…なんて

 

ふと想ったりもする…

 

 

でも

 

それでは 愛しさや生きる喜びも知ることなく

 

淡々と只 動き続けるロボットと同じで

 

自分自身さえも失ってしまう事だろう…

 

 

 

心を持たない私は私とは言えず

 

抜け殻にすぎない…

 

 

 

心あってこその人生…

 

悲しみを知ってこその喜び…

 

苦しみを越えてこその幸せ…

 

 

 

全ては私が私であるが故に出会った 私故の苦しみ悲しみだったという事…

 

 

老いた今は そう感じるようになった…

 

 

 

その感情は 四季を経てやがて木の実が熟すように

 

私を私らしく成熟させてきたのだと…

 

 

 

全ては私故の心が呼び寄せた 私故の縁の中の出来事だった…

 

 

 

 

億千万の命の種のそれぞれに 唯一無二の心が宿り

 

それぞれの「生」を生きている

 

 

 

億千万の「生」が それぞれの縁(えにし)で展開されている…

 

 

誰もが 私故の心と共に

 

その命を生きている…

 

 

 

 

 

 

 

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タンポポの呟き

 

 

私は 華やかな香りを持ちません

 

私の香りは素朴な土の匂いです

 

 

私は 遠くの景色の有様を知りません

 

私の居場所は 仲間達が犇(ひし)めき生えるこの大地です

 

 

土の匂いのする私を あなたは

 

見すぼらしい恥ずかしい存在だと 軽蔑しますか?…

 

 

あなたの足元の世界しか知らない私を

 

眉を顰(ひそ)めて 無知もいいところだと呆れますか?…

 

 

 

いくら笑われても 軽蔑されても

 

私は あなたのような華やかな香りを漂わせる事は出来ません

 

 

私は あなたの見てきた世界に染まる事も出来ません

 

 

あなたが あなたであるように

 

私は 私でしかないからです

 

 

 

道端に生えるタンポポも

 

綺麗な花を咲かせて やがて綿毛を飛ばします

 

 

薔薇の花とは比べようも無く 生きる世界も全く違う花だけど

 

道端を彩る黄色い花は それはそれは輝くように綺麗です

 

 

 

世の中に同じ命は一つもないのに

 

生きる世界を比較し合うのも可笑しな話…

 

 

只 悲しいばかりで それが何の足しになるのでしょう

 

 

咲いた花は みんなとても綺麗です

 

だから それぞれがそれぞれで良いのです

 

 

自分だけの綺麗な花を咲かせる為に

 

力一杯 命を燃やして生きていければ

 

それで良いと思うのです

 

 

 

 

 

 

 

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