生きていればこそ…

 

綺麗だなぁ… この世界は…

 

やっぱり泣けるくらいに美しい

 

 

 

色んな事があるけれど…

 

それでも ふと顔を上げた時

 

目に映った雨上がりの山並みが

 

山霞に煙る姿を見たならば

 

こんなちっぽけな存在の私だけれど

 

何もかもが 生きてる証と思えたりする

 

 

 

 

雀の雛の鳴き声が響いてる

 

親雀が一直線に雨上がりの空(くう)を切り

 

雛へ食事を運ぶ夕暮れ時…

 

 

 

そんな風景の全てが本当に美しいと感じる…

 

 

 

何もかもが生きている証…

 

 

 

喜びの時も 苦労の時も

 

あの親雀のように 精一杯に生きるという事は きっと

 

ただ それだけで何もかもが

 

泣けるほどに 美しいものなのだろうと思う…

 

 

 

只々 みじめで苦しいばかりと思う日々でも

 

それでも 精一杯に生きるという事は

 

誰も皆 泣けるくらいに綺麗で美しい…

 

 

 

何もかもが 生きている証…

 

何もかも全てが

 

生きていればこそ…

 

 

 

 

 

 

 

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たった一つだけの物語

雑草と呼ばれるヒメフウロが、思いがけない場所で可愛い花を咲かせていた。荒れた場所を綺麗に彩るエネルギーって凄い!

 

この世界の ありとあらゆる存在全ての一つ一つが

 


それぞれ唯一無二のストーリーを紡いでいる…

 

 

 

「私は此処に居る!」

 


「私は今 此処で頑張って生きているよ!」と

 


それぞれが存在の波動を放っているかのようだ…

 

 

 


動く者も

 


動かざる者も…

 


生命を与えられし者も

 


命授からぬ「物」と呼ばれし者達も…

 


全てに この世に現れ出でた原初があり

 


流れ過ぎ行く時間の中で平等に

 


それぞれに輝きの時があり

 


苦しみの時もあり

 


そして消滅の時もやがて必ず訪れる…

 

 

 


この世の ありとあらゆる存在全てが

 


それぞれの時の経過の中で

 


たった一つだけの物語を作り上げては 消え去って行く…

 

 

 


空に浮かぶ雲にも 二度と同じカタチを見る事が出来ないように

 


この広い世界中で

 


この広大な宇宙の中で

 


全ての存在が 一期一会のたった一度だけの現れ…

 


その全てに たった一つだけのストーリーがある…

 


湧き上がるように 大地を緑で覆い尽くす草花達にも…

 


やがては風化し 河原の石や砂と化す岩石にも…

 


そして人々が創りあげた様々な道具や芸術品にでさえも

 


何もかもの全てに 唯(ただ)一つの

 


存在の証ともいうべき物語が紡がれる…

 


それぞれが 主人公の物語…

 


この世に 唯(ただ)一つだけの物語…

 

 

 

 

 

やがて 消え去る最後の時が来たならば

 


主人公は 願うのだろうか…

 

 

 

 


「私の物語を 忘れないで…」と…

 

 

 

 

 

 

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人生はミルフィーユ

人生は まるでミルフィーユみたいだね…

 

 

忘れる位に延々と

 

数限りなく繰り返された日々の記憶が

 

何層にも何層にも 一日も欠ける事無く

 

全てが完璧に積み重ねられているのだから…

 

 

 

気まぐれ に 記憶の層の一つを捲(めく)ってみれば

 

当時の自分が そこで膝を抱えて佇んでいて

 

その時のリアルな感情も一緒に蘇る…

 

 

今という人生の天辺(てっぺん)から

 

何気に捲った人生の層で

 

若かった当時の馬鹿で未熟な私が顔を出し

 

今更ながらに その頃の生き様に

 

思わず手で顔を覆ってしまう時もある…

 

 

 

それは 私の積み重ねたミルフィーユのずっと昔の下の層…

 

 

 

もう 今更作り直しの出来ないミルフィーユ…

 

忘れたい事もある…

 

消し去りたい事もあった…

 

けれど 生きた日々の全てが

 

否応も無しに ぎゅっと薄い層に圧縮されて

 

幾重にも積み重ねられているミルフィーユ…

 

 

 

人生で たった一つしか作る事の出来ない

 

作り直しの出来ない 我が生き様のミルフィーユ…

 

 

 

今更 どうしようもないけれど

 

せめて僅かに残されているこれからの人生は

 

綺麗なイチゴの一つも飾れるように生きてみたい…

 

 

 

 

 

 

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太陽におなりなさい

太陽におなりなさい

 

今 生きているその場所で…

 

 

太陽におなりなさい

 

貴方の明るい笑い声を響かせて…

 

 

太陽におなりなさい

 

関わる人達を慈しみ

 

気付いたら いつの間にか皆が穏やかな目をして笑っている…

 

そして貴方の心も 優しさと安らぎに包まれるような…

 

 

誰でもない…

 

 

貴方の心の宇宙を照らす優しい太陽に

 

貴方自身が おなりなさい…

 

 

 

 

 

 

 

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牡丹雪

 惜別の牡丹雪が降りしきる…

 

 

群青色の夕闇に 暗闇の幕が下りる頃

 

降り始めた重たい水雪が

 

大きな花弁の花吹雪となって 舞い踊る

 

 

激しくも美しく 儚く消えゆく春の淡雪…

 

 

降りしきる美しさに 両手を広げて見上げれば

 

まるで我が身へと降り注ぐよう…

 

 

もしかしたら乱舞するこの雪は

 

地上に生きる者達が冬の間に発した様々な思いを掻き集め

 

鎮めてくれてるのかも知れない…

 

 

自然界で 冬を生き抜いた者達の苦労や苦しみは

 

どれ程だった事だろう…

 

 

獣も

 

鳥も

 

虫も

 

植物も…

 

 

どれ程辛かった事だろう…

 

 

 

牡丹雪を見ていると

 

空中に漂う 冬を生きた者達の発した数限りない苦しい想いが

 

舞い散る美しい雪の一片(ひとひら)一片(ひとひら)を拠り所にして

 

儚く落ちては 水となって地面に浸みゆき

 

一つ 又一つと

 

自然の懐へと還ってゆく気がする…

 

 

 

そうして やがて冬の気配は消滅し

 

春へと全てが入れ替わるのではないだろうか…

 

 

 

美しくもあり そして何故か切なくもあり…

 

 

地上に落ちては 融けて消えゆく雪の花弁(はなびら)から

 

さよならの声が 聴こえた気がした…

 

 

 

 

 

 

 

 

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