マカロニサラダ

「マカロニサラダ」

 

鳥の夫婦

 

 

マカロニサラダを 作る度

 

 

 

私の心は 遠い昔に 飛んで行く・・・

 

 

 

想い出すのは母の事・・・

 

 

 

家業の仕事と 畑の仕事・・・

 

 

 

その上 近所の工場で 合間をぬって働いていた・・・

 

 

 

限られた時間の毎日を 全速力で生きていた・・・

 

 

 

 

 

そんな日々でも 母は 家族の為に 毎日毎日 朝昼晩

 

 

 

欠かす事なく 料理をしてた・・・

 

 

 

 

 

母が作った マカロニサラダ・・・

 

 

 

食べ盛りの子達の為に 大きな器に どっさり作る・・・

 

 

 

 

母の料理は 美味しくて・・・ 美味しくて・・・

 

 

 

みんな 一生懸命 ご飯を食べた・・・

 

 

 

母が 笑顔で見てる中

 

 

 

あっという間に マカロニサラダは 空になる・・・

 

 

 

 

 

マカロニサラダを作る度 いつも ぽっかり浮かんでくる・・・

 

 

 

あの頃の 母の笑顔も マカロニサラダの美味しさも

 

 

 

私の中で ずっとずっと 変わらない・・・

 

 

 

 

 

母の笑顔と マカロニサラダ・・・

 

 

 

 

 

マカロニサラダを 作る度

 

 

 

私は 母が傍に来て

 

 

 

優しい笑顔で見ている気が するのです・・・

 

 

 

 

 

 

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「母へ 2」

一杯の味噌汁の温かさが

 

ほーっと 心の中まで 染み渡る時

 

母の笑顔が 浮かんでくる…

 

 

母が畑で育てた大根の葉と

 

油揚げの味噌汁が定番だったっけ…

 

 

 

遠い日の 母の姿…

 

手縫いの 粗末な衣服を着ていても

 

笑顔は 菩薩様のように輝いて 私の心に蘇る…

 

 

私も あなたを真似るように

 

畑で 野菜を 作っています…

 

 

貴女の 味噌汁を思い出し

 

刻んだ大根の葉と 油揚げを入れた味噌汁を

 

家族の為に 作っています…

 

 

一杯の味噌汁の 温かさに蘇る 懐かしい 母の面影…

 

 

私の子供達も いつの日か 思い出したりするのだろうか…

 

 

温かい 一杯の味噌汁の中に 私の面影を…

 

 

 

 

 

 

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「母へ」

あれは私が幾つの頃だったろうか…

 

 

私の幼い頃の記憶の中の母は

 

 

年老いた祖父母の世話をしながら

 

 

家族を護ろうと 私達にひもじい思いをさせまいと

 

 

いつも休みなく 無我夢中で働いていた…

 

 

子を慈しむ暇もなく 只只 働いて 働いて…

 

 

そんな母との ささやかな 幼い日の小さな思い出…

 

 

あの日 幼い私をリヤカーに乗せ 母は山へ山菜を取りに行った…

 

 

お昼時 明るい日のあたる草むらに座って

 

 

母と私は オニギリを食べた…

 

 

母が握った大きなオニギリ…

 

 

あのオニギリは きっとそんなに大きかったわけじゃないかも知れない…

 

 

私が幼かったから 私の小さな両手一杯のオニギリは

 

 

きっと とても大きく感じられたのだろう…

 

 

何処からともなく 真っ黒で大きな山アリが寄ってきて

 

 

その山アリに噛みつかれそうで怖かったのを

 

 

今でも懐かしく思い出す…

 

 

大きなオニギリ…

 

 

大きな山アリ…

 

 

それでも 母と過ごせる事が 幼心にも嬉しくて嬉しくて…

 

 

私を見る母の温かい笑顔…

 

 

一緒にオニギリを頬張りながら

 

 

母の目が優しく穏やかに笑っていた…

 

 

あの時の ささやかだけど掛け替えのないひと時が

 

 

消える事の無い灯(ともしび)になって

 

 

私の心を今も温かく照らし続ける…

 

 

 

 

 

 

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母の事。

私の母

昭和30年頃の幼かった私の記憶に残る母は
こういうモンペ姿でいつもいつも忙しく働いていました。

戦後の日本が目まぐるしく変わろうとしていた時代でした。

父は、生活力のない坊ちゃん育ちの我儘物で、満足に働こうともせず
酒を飲んでは母に暴力を振るうような人間で
祖父母亡き後の家は衰退の一途を辿るばかりでした。


そして母は、私が11歳の時癌になり、34歳の若さで亡くなりました。

休む暇なく家族の為に働いて働いて 私達を守る為に働き続け
死ぬ間際まで子供達の運動会に行ってやらなきゃと呟いていました…。



父に家族への思いやりがあったら全てが違っていただろうにと思います。

父が母を殺したようなものだ、まるで悪魔か寄生虫だと
父の所業を思い出す度に鳥肌が立ち、身体がブルブル震えて
随分長い間私は父を許すことが出来ませんでした。


長い月日が過ぎ、私も今では母の倍以上の年になり
憎かった父も亡くなりました。



脳裏に焼き付いた懸命に働く母の姿が ずっと私の心の支えでした。


自分の命を削って 私達子供を守ろうとしてくれたのだと
母の苦労ばかりの短い生涯に
私達子等への深い母の愛を感じられるからです。

縁(えにし)の仕組みは分からないけど
こういう父と母を両親として生れ落ちるべき罪深い何かがきっと
私にあったのだと思います…。











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