巡る想いの随(まにま)に
グラスの中で琥珀色したウイスキーの波が揺れるよ・・・
何故だか 涙が一滴(ひとしずく)頬をつたうよ・・・
琥珀色に染まった優しい記憶が 私を泣かすよ・・・
悲しみでもなく・・・
苦しみでもなく・・・
只 切ない程に恋しくて・・・それは郷愁にも似た想い・・・
ウイスキーは 長い時を琥珀色の中に閉じ込めているから・・・
陽に透ける新緑の美しさも
鳥たちの大気に響く囀(さえず)りも
小川の透き通った潺(せせらぎ)の音も
ありとあらゆる 生きとし生けるものの
愛しさも・・・ 悲しみも・・・
喜びも・・・ 苦しみも・・・
歌声も・・・ 囁(ささや)きも・・・
その琥珀色に閉じ込められた全ての時が
今 身体の中で一斉に 弾けるように解き放たれて話し出すから・・・
悲しみでもなく・・・
苦しみでもなく・・・
只 切ない程に恋しい想い・・・
過去の ありとあらゆる全てを 只 愛しいものに変えてゆき
なにか 暖かく優しいものに包まれるような安らかな想い・・・
琥珀色に染まった時間は
過ぎ去りし日々への恋しさと 切なさを呼び覚まし
そんな私を 抱きしめるように
泣きたくなる程 只 優しくて・・・
読んで下さって有難うございます。
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