虚しさという名の魚

母とは 海のようなもの

 

 

 

いつの日か 私の川は母の元へと帰りゆく・・・

 

 

 

 

 

永い旅を 流離(さすら)いながら

 

 

 

やがて 海へと溶け込む川のように

 

 

 

私の心は 母の懐を求め流れ続ける・・・

 

 

 

 

 

流れの途中

 

 

 

煌めく水辺で 羽を休める美しい白鳥の群れや

 

 

 

漆黒の夏の夜の川縁(かわべり)で 儚げな蛍の舞に立ち止まろうとも

 

 

 

それらは何もかもが 過行くもの・・・

 

 

 

 

 

流れの途中で出会ったそれらは

 

 

 

全て ひと時の休息に過ぎず

 

 

 

再び 私の川は流れだす・・・

 

 

 

 

 

川底深く潜む 虚しさという名の大きな魚は

 

 

 

海こそが 帰り着く場所であることを 知っていて

 

 

 

ここではない!と 深い川底で藻掻(もが)いて私に告げるから・・・

 

 

 

立ち止まった川は再び 海へ海へと流れ始める・・・

 

 

 

母なる海よ

 

 

 

そこは 虚しさという名の魚が

 

 

 

安らぎという名の 海の粒子に変わる場所・・・

 

 

 

心に潜み続けるこの虚無が 流れ流れて辿り着く

 

 

 

悠久で

 

 

 

その温もりに 心溶け込む

 

 

 

懐かしい 命の故郷(ふるさと)・・・

 

 

 

 

 

 

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投稿者: 花咲 手毬

ご訪問、有難うございます。見て頂けて、嬉しいです。 私の咲かせた言葉の花が、誰かの心に届きますように…

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