まだ雪残る 晩冬(ばんとう)の田畑に
白鳥達が賑やかに 鳴き声を上げながら群がっていた・・・
旅立ちの日が近い事を
身体を流れる渡り鳥の血が 知らせるのだろうか・・・
もうすぐ 遥か遠いシベリアの地へ 飛び立って行く白鳥の群れ・・・
彼らは 自分たちの目指す場所を知っている・・・
その道のりの厳しさも 果てしなさも・・・
それでも彼らは 怯(ひる)む事無く
遠いシベリアを目指し飛び立って行く・・・
ある者は 伴侶と共に・・・
あるものは子を携(たずさ)えて・・・
又 ある者は 老いた身体の残る力を振り絞り・・・
長い長い 命をかけた旅を
その生涯 何度も 当然のように繰り返す・・・
山を越え・・・
海を渡り・・・
真っすぐに・・・真っすぐに・・・
彼らは 力の全てを懸けてでも
行くべき場所を目指し 突き進む・・・
なんの迷いも無く・・・
果たして私の心は
目指すべき場所を知っているのか・・・
私はいったい どれ程の覚悟を持って
何処を目指して この人生を歩いているのだろう・・・
君を 傍に携(たずさ)えながら・・・
読んで下さって有難うございます。
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