命のバトンを引き継いで

冬雀

全てが凍ってしまいそうな 厳寒の最中(さなか)に訪れた

 

冬晴れの とても暖かい昼下がり…

 

 

 

雀達が 日差しで雪の解けた柿の木の小枝に群れて

 

薄汚れ見窄らしくなった その小さい身体を休めていた…

 

 

 

疲れ切ってウトウトと眠るもの

 

ボロボロに乱れた羽を嘴で忙しく繕うもの

 

日差しの心地良さにピチュピチュと歌うもの…

 

 

 

厳寒の中で やっと生き抜いたもの達の

 

ほんのつかの間の安らぎの時…

 

 

 

この世の仕組みは 忍びない程に過酷で

 

そして とても意地悪だ…

 

 

 

長く苦しい日々に芯から疲れ果てた頃

 

まるで見計らったかのように 気まぐれに

 

つかの間の幸せが訪れる…

 

 

 

生かさず殺さず

 

 

わざと何者かが仕組んでいるのでは…とさえ思えてしまう…

 

 

それでも 全ての命は不思議な事に

 

気の遠くなるような太古の時代から

 

途絶える事も無く生き抜き続け

 

連綿と今の時代まで命は受け継がれてきた…

 

 

 

今を生きている命の全ては

 

長い時を生き抜いた 強い命のバトンを引き継いで

 

今 ここに存在しているのだね…

 

 

あの雀達も…

 

そして 私達人間も皆…

 

 

 

 

 

 

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