カテゴリー: ポエム

「女は弱き者なれど・・・」

人は皆

女の腹から生まれ出た・・・

どんな人間も　全て皆　母のいない人は　無い・・・

女の乳を飲み

病になれば　精一杯の看病を　受けた・・・

女は　自分の事も後に回し　愛する者達を　守り育てる・・・

暑かろう　寒かろうと　あれやこれやと　気遣いながら

毎日　毎日　愛する者達の為に　食事を作る　・・・

そうやって　人の命は　女によって　生かされてきた・・・

女は弱きものなれど

全ての命は　女の腹から生まれ出（い）で・・・

女の愛で　育てられ・・・

女によって　生かされる・・・

女は　か弱きものなれど

女が無くては　この世も無い・・・

この世の　人の存在も・・・

今の　この世の文明も・・・

全ては　女という　か弱きはずの存在が

産み　育んだ命の

　創り上げた世界に　他ならない・・・

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「食べる人」

私の料理を　黙々と

嬉々として　一生懸命　食べてくれる人がいる・・・

この上もなく　幸福な表情で・・・

そんな貴女（あなた）は高齢で　赤子に帰った　重度の認知症のお婆さん・・・

でも　食べる事の喜びは　まだ　忘れていない・・・

赤子のように　前掛けをして

主菜も副菜も　何故か　味噌汁のお椀の中で　見るも無残に混ぜられて

食べる度に　ボロボロこぼす・・・

それでも　自力で一生懸命　「美味しい　美味しい」と食べている・・・

その食べる姿に　生きようとする逞（たくま）しさを　垣間見る・・・

私の作った料理が　今　あなたの命を育んでいる・・・

嬉々として・・・

黙々と・・・

一生懸命・・・

赤子のように　夢中で食べる・・・

そんな貴女（あなた）の　食べる姿に　愛しさ溢（あふ）れ

貴女のお腹が　満たされる程

私の心も　幸せな感情で満腹になるのです・・・

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「小さな木の芽」

凍りつく　冬の最中（さなか）の木の枝先で

じっと耐えてる　小さな芽・・・

真白い雪の　帽子を被り

静かに耐えて　春を待つ・・・

小さな　小さな　その中に

命の火種を　宿してる・・・

全ての木々の枝先で

春待つ　小さな無限の命・・・

もの言わずとも

静かに耐える　姿の強さよ・・・

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「ただ　ただ　笑顔の・・・」

ただ・・・

ただ・・・

機嫌の良い　赤子のように

笑顔を絶やさぬ　老婆が居（お）られる・・・

その老婆は　全ての過去の記憶を　忘れ去ってしまった・・・

長かっただろう人生の　全ての出会いも忘れ去り

自分が誰かさえも　分からない・・・

衣食住の全てを　人に委（ゆだ）ね・・・

下の世話も　人の手を借りねば　糞尿にまみれてしまう・・・

それでも　その老婆はニコニコと　笑顔を絶やさず　生きている・・・

何を語ることもなく・・・

人を責めることもなく・・・

ただ　ただ　ニコニコと　・・・

その瞳に　怒りは無く　欲も無く　疑いも無く・・・

いつの日も　老婆は　何をするわけでもなく

只々ニコニコと　日々を過ごすだけ・・・

されど・・・

何故だろう・・・

その笑顔に出会うと　沈んだ心は癒されて

心　暖かくなる・・・

その笑顔で見つめられると　不思議と顔がほころんで

心　安らいでしまう・・・

ただ・・・　ただ・・・

赤子のように　ニコニコと

笑顔を絶やさず生きる　老婆が居（お）られる・・・

その笑顔を向けられると

沈んだ心が温（ぬく）められ

まるで　心　洗われるようで

笑顔の老婆の　瞳の奥に

神様が住んで居（お）られるような気がするのです・・・