八十八の神様

 

母は 実家が農家でね・・・

 

 

そのせいか 御米を粗末にしたら駄目だよって よく言っていた・・・

 

 

一粒の御米でも お百姓さんが大変な苦労をして育てたものなんだよ・・・

 

 

人の口に入るまで 八十八回もの苦労と手間暇がかかってる・・・

 

 

だから米という字は八十八と書くんだよ・・・

 

 

一粒の御米にも 手間暇と苦労の数だけ神様が宿るから

 

 

決して粗末にしてはいけないよ・・・

 

 

幼き頃に母から伝えられた言葉は

 

 

大切な正しきこととして 私の細胞に染み込んでいる・・・

 

 

母も自分の母からそう教えられて育ったのだろうか・・・

 

 

先祖代々母から子へと受け継がれてきただろう御米の教え・・・

 

 

鍔釜(つばがま)を洗う時 こびり付いたご飯を水で落として

 

 

底に溜まった御飯の粒を大事に手で抄(すく)って口に入れていた母・・・

 

 

一粒の御米でも お百姓さんが大変な苦労をして育てたものなんだよ・・・

 

 

人の口に入るまで 八十八回もの苦労と手間暇がかかってる・・・

 

 

だから米という字は八十八と書くんだよ・・・

 

 

一粒の御米にも 手間暇と苦労の数だけ神様が宿っているから

 

 

決して粗末にしてはいけないよ・・・

 

 

炊飯器のお釜を洗う度に そう呟く母が思い出される・・・

 

 

釜の底に溜まった御飯粒を手で抄(すく)い

 

 

私は口に運ぶ・・・

 

 

それもまた 今は美味しいと思うようになった・・・

 

 

 

 

 

 

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投稿者: 花咲 手毬

ご訪問、有難うございます。見て頂けて、嬉しいです。 私の咲かせた言葉の花が、誰かの心に届きますように…

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