雀よ 雀…

 

焼けつくような日差しが照り付ける夏の最中(さなか)

 

走らせる車の前を 雀が一羽

 

力一杯放たれた矢のように 鋭く横切って行った

 

 

ぶつからなかった事にホッとしながらも

 

何だろう…

 

その姿に 切なさがこみあげる…

 

 

雀達も子育ての季節

 

この暑い最中 食べ盛りの我が子達へ

 

必死で食べ物を探しては運んでいるのだろう

 

 

あんな小さな身体から溢れる 狂気のような命の迸り…

 

我が身を顧みる事も忘れる程に

 

その羽搏きに溢れる我が子達への一途な想い…

 

 

あぁ… 唯それだけの想い…

 

 

愛しさだけがこみ上げる…

 

愛しい

 

愛しい

 

我が身を忘れるほどに

 

唯 愛しいだけの気持ちが 我が身を突き動かす…

 

 

 

雀よ 雀…

 

私もそういう時代があったよ

 

我が子達が ちゃんと自分の人生を生きられるようにと

 

私も頑張った時代があったよ

 

 

唯 愛しさだけで 頑張れた…

 

そういう時代があったよ

 

 

雀よ 雀…

 

無我夢中で我が子を育てる 雀よ 雀…

 

命って不思議だね

 

我が身をかまう余裕もなく

 

羽も薄汚れ 身なりもボロボロ

 

でも 小さな身体から迸る命の輝き

 

 

 

命とは不思議だね

 

我が身を忘れる程に

 

愛する者達の為に精一杯生きた時

 

命って一番輝けるのかも知れないね…

 

 

 

自然の中で生きる者達は

 

それこそが生きるという事なのだと

 

当り前のように知っていているのかもしれない

 

 

見返り等 知りもせず

 

唯々 募る愛しさだけで 苦労も厭わず

 

我が子として授かった命を懸命に育て上げる…

 

 

それこそが生きる喜び

 

それこそが生きている実感

 

そういうものなのかも知れない…

 

 

もし見返りがあるとすれば それは

 

愛しい者達との思い出の日々…

 

 

私も 子育てで大変だったあの頃が

 

今となっては煌めく思い出…

 

   それこそが 命に刻まれている宝物…

 

 

 

 

 

 

 

 

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投稿者: 花咲 手毬

ご訪問、有難うございます。見て頂けて、嬉しいです。 私の咲かせた言葉の花が、誰かの心に届きますように…

「雀よ 雀…」への2件のフィードバック

  1. おはようございます。僕もあなたも赤ちゃんだった時きっときっと僕たちの親たちも必死に育ててくれたんだろうなって思っています←つまらないコメント恥ずかしいけどあなたの詩にまた出会えてとってもとっても嬉しいですケルカンより

    1. こんにちわ、ケルカンさん。私も又ケルカンさんとお話し出来て嬉しいです。😄
      コロナや猛暑、豪雨と厳しい日々が続きますが、お元気でしたか?
      私は暑さでばててました。やはり高齢者です。(笑)😂
      今出来てることも、いつ最後になるか分からない年齢。こうして又お話しできた事に感謝です。
      ありがとう。😄

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