その胸に 溢れる想いを伝える言葉も知らず・・・
自らの夢や希望に挑戦し 熱く燃ゆる喜びも知らず・・・
この世で一人 君は生きる術もない・・・
知的障害者・・・
それは 世間が印した君への烙印・・・
誰かが君の心の揺らめきを知るには 長い時間が必要で
君の誰より豊かな感性も
引き出すためには 君を理解しようとする根気強い誰かの知恵がいる・・・
君は 一生懸命頑張って 誰かの心と繋がろうとするけれど
君の前には厚い壁が立ち塞(ふさ)がっていて
壁の向こう側に 君の思いは届かない・・・
それが もどかしくて・・・悔しくて・・・
君は 叫ぶ!
思いを伝える事の出来ない辛さに・・・
その辛さを 分かってもらえない苦しみに・・・
時には そのやり場のない憤りを
君は我が身に激しくぶつけてしまったりもする・・・
自傷の痛みも分からぬほど もっと君の心は 痛いと叫ぶ!
君は 人の心を察知するという事に長(た)けていて
人の心の有り様(よう)を 敏感に感じ取ってしまうから
思いが伝わらないが故の 数えきれない誤解や理不尽な出来事が
随分と君を苦しめてきた事だろう・・・
迸(ほとばし)る想いを 誰にも伝える術もなく
その どうしようもない歯がゆさに
只 狂ったように暴れて 泣き叫び
時には 我が身をも傷つけた君・・・
あれから 数えきれない日々が過ぎた・・・
そして 今・・・
君は 穏やかに笑っている・・・
一日一日の繰り返しが 君の周りの風景を変えていった・・・
いや 君が全てを変えたのかも知れない・・・
君が厚い壁の向こうで 一生懸命 人の心と繋がろうと頑張ったから・・・
君を知ろうとすることは
人の心を知ろうとすること・・・
君と関わった人達が
君の思いを理解しようと頑張るうちに
いつの間にか君のように 人の心に敏感になったのかも知れない・・・
言葉で伝えられない君の仕草や表情で
君の想いを察知して 君に届く言葉を返す・・・
そうして君は ニッコリ笑う
それは まるで心の会話
テレパシーのキャッチボール・・・
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